A Better Place To Pray

I'm singing out my revolution song like nothing else matters

2018年の永劫回帰

  生活を正すというのか、受験生のころからずっと言われてきたような「隙間時間を上手に使え!」みたいなことがイマイチできていないなあと仕事帰りの電車で何をするでもなく何千回も眺めた車窓を眺めながら思う。

 

「まさか、通勤でも通学と同じ路線を使うことになってるなんて大学生の僕はどう思うんだろうか」

 

  なんてことは思わない。大学生の時、就職をするということから具体的な未来を考えたことなんて、就活をしている時にすらなかったんじゃないか。あんなものは非現実なゲームでしかなっかたんじゃないか。何処の街で何をしてどんな電車に乗ってるのかなんて事より「今」ということしかなっかたはずだ。
  いつも何かを思いながらも、それは言葉などには結実せず、まるで初めから何も無かった様に消えてゆく。はて、無意識とはこの様なものが蓄積した産物なのだろうか。だとしたら、無敵だな、無意識って。無意識の在り方により罰せられ、無意識の在り方により批評され、下手をしたら賞賛をされる。


「この表現こそが、あなたの無意識の表出なんですよ」


  返す言葉もなし。会話終了。コミュニケーション・ブレイクダウン。糺の森

 

 

  受験生の時のことを最近よく思い出すのは、僕の出身大学を目指している近所に住んでいる男子高校生のせいだ。会ったらどうしても受験の話になってしまう。英語の問題を久しぶりに見て、大問2の四択のやつがまだ健在なのに思わず息を呑む。ここだけが満点に向けての難所だったんだ。
  僕には留年の危機はまったくなかった。けれども浪人をしたので、今でも「18歳の入試本番の2月に今の33歳の僕の意識だけがタイムスリップして、めちゃくちゃ焦る」という夢を見る。あの夢の合格発表の朝9時に速達郵便を待つ時の気持ちは本番の時のそれと変わりがない。
  夢を見ることにより、人生で一度限りの体験は何度も何度も繰り返されてしまう。
  しかもそれは、全く抗うことも払拭することも出来ないリアリティを持っているのでいつも僕は大真面目に焦る。
  カフカの小説のようだ。大真面目に城へ辿り着けず大真面目に城の周りをウロウロする。
  ニーチェなんかは「世界、それ自体が何回も同じ様に繰り返されている」(僕の要約)なんて言いやがるのだけれど。

  2018年の永劫回帰

  過去という引き摺るものだけ増やして2018年の永劫回帰はまだまだ続くし、そもそも終わらない。臨界点なんかあるんだろうか。

 

 

グランプリ

グランプリ

 

 

  Don’t look back on empty feeling.
  Don’t look back in anger.

 

  Teenage Fanclubの『Grand Prix』に収録されている「Don’t Look Back」は、Oasisの「Don’t Look Back In Anger」に似ている。と書くと語弊がある。先に世に出たのは、前者だから。なんだかギターのコードをザラっと弾いてる感じが似ている気がするし、「イントロのベースとドラムの入り同じやないかい!」って思わずにはおられず、そしてとにかく詞の持つ雰囲気が似ている。
  Wake up.The story’s over.なんて詞は、Oasisの2枚目のど真ん中に流れている空気だ。
そこが分かっていながら、自身が書いた曲そのもの(Champagne Supernova的な)の状況に陥り、コカインでThe storyを強引に引き延ばした結果が『BE HERE NOW』であり「All Around The World」だ。こんな素直なバンドを愛せないなんて、あなたは無慈悲にもほどがある。

 

  ティーンエイジは振り返るのに「on」を使い、ノエルはそこに「in」を使う。何となく、怒りのほうがonで、空っぽな空虚な気持ちの方がinだと思ってしまう。ここが逆なのが面白い。

  怒りという強い感情によって振り向かされるな。という怒りからの圧力のある表現でなく、inという仕方なしというかonよりは自然な感じで「怒りで振り向くな、せめて今日だけは」と歌ったノエル。
空っぽで空虚な虚しさの様なもに包まれて振り返る。という内省的なものではなく、虚しさによって振り向かされるな、と歌ったティーンエイジ。

  ノエルはティーンエイジのこの曲をも「Don’t Look Back In Anger」のネタ元にしてるんじゃないか。今まで何回も何回も『Grand Prix』を聴いているのにこんなことを思ったのは初めてだ。でも、次の「Verisimilitude」なんて曲はアンチ『Definitely Maybe』な感じがしないでもない様な曲だったりする。前置詞onとinからの素人考えの妄想夢芝居かもしれないけど。


  なんてことを「Neil Jung」を聴きながら考えていたら、手紙というか招待状が届いた。大学の同じ学部の同級生女史からの手紙。開封する前に思ってそのまま口をついたのは「名前変わってる!!!」だった。にしても、このタイミングかよ。「Neil Jung」という曲の思い入れの6割は彼女で出来てるはずだ。これが人生か!

 

  Wake up!! The story’s over!!

 

  当分、ティーンエイジの『Grand Prix』が手放せなさそう。
時期的には『Songs From Northern Britain』がめちゃくちゃよく聴こえる時期なんすけど。

  Going Nowhere.
  Couldn’t take the pain and left it there.


  あ、もう一曲聴こえてきた。

  あなたの夢や歴史は
  わたしのDiaryなの だから
  ねぇ 確かめて つなぎ返して
  Your soul ring my doorbell.