2019年 3月8日 金曜日
目が悪い。視力が悪い。視力検査のランドルト環の裂け目が全然見えない。そして、乱視だ。
大阪には赤信号が青信号に変わるまでどれくらい掛かるのかわかるように信号機の両端にメーターのような細かい点が縦に連なっているものがある。その点の数が減って来るともうすぐで青信号だ。しかし、あれが見えない。いや、見えるんだけど、見えたことにはなっていない。例えば、点があとふたつだとする。でも、それがよっつに見える。それは見えていることにはならないだろうか。
揺れる電車に合わせて男女の俯いた頭がふたつ前後に揺れている。ゆっくりとヘッドバンキングをしているようでどうにもおもしろい。男の足元にはギターか何かのケースが置かれている。
新聞紙を広げる若い女の子がいる。
ヘッドホンをしている。
音漏れをしていない。
彼女は何かの業界紙を読んでいるようだ。まあ、これも定かではないんだけれど、広告の打ち方でなんとなくそう当たりを付ける。
内容は見えない。
目の前で読んでいるんだけれどもちろん内容は見えない。見出しも見えない。
かろうじて「自立」と読めたと思ったのだけど、目を細めて更に乱視をなんとかすべく片目、右眼で見たらそれは「日立」だった。また棒線が増えたのだった。
今度は、人間を右眼で見たらそれは人間のままだけど、左眼で見たらただの名刺だったりするかもしれない(出典、安部公房「壁」)
その木なんの木気になる木、小林亜星、それを聴いて小林亜星に負けたと思ったキダタロー、箕面、原発、浪江町、先週やってたEテレのドキュメンタリー、野球が好きだったおじさんが故郷を原発のせいで追われ、どんどん生気が失われていく様に言葉が無くなる。
混んだ電車で新聞をたたんで読む女子を見るというのは初めてだった。いい景色だった。
ソローキンの『ブロの道』がとにかくおもしろい。衝動買いしたんだけど。
こういう時間が欲しいから小説を読むのだということを噛みしめるように読む。
ロシア帝政からソ連になった雰囲気が主人公視点で滲み出てるのに惹かれて読んでたんすけど。
- 作者: ウラジーミルソローキン,Vladimir Sorokin,松下隆志
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則本が手術という見出しに職場で思わず声を出してしまった。
そして、阪神打線の悲惨さには何も声は出ずとも今年もあかんやろなという感慨に3分くらい浸ってしまった。