A Better Place To Pray

I'm singing out my revolution song like nothing else matters

謎、明後日を待ちながら。

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 昔から変に何かに拘るところがあって、最近のその拘りの矛先は、手の清潔さとレシートに向かっている。
 手の清潔さは病的な話ではなく、単にインフルエンザが流行っているからそれを持ち込みたくないので常に手の清潔さに神経が行くので、アルコール消毒液とかまで使っている。
 これがよくなくて完全に手の甲を荒らしてしまった。中学生くらいの頃に日焼けして風呂入ったとき以来のあのヒリッヒリが来た。懐かしいけど、めんどくさいのでニベア塗りたくる。
 レシートは、二週間くらい前から家計簿をつけるために集めている。家計簿と言っても簡単なもんで、その日に買ったもの、要は金の動きを完全に把握するためにしっかりレシートを集め、一日の終わりにプリンターへ並べてコピーする。用途別にマーカーを使って分けて合計を書き込む。ま、会社の経費まとめるみたいなもんですよ。
 で、まとめててわかったのが最近、セブンイレブンの「しっとりホイップあんぱん」にハマってるってこと。これ、職場の人にもらって旨くて。こし餡とホイップが絶妙で。甘いもん好きにはナイスなパンかと。つうか、コンビニの人たちレシート渡してくれないのがデフォルト対応なのなんとかならないですかねえ。毎回「レシート頂けますか」って言わんと出してくれませーん。
 これを毎日やってると、それだけで謎な達成感が訪れて、早く明日のレシートをまとめたくなって早寝までしてしまう始末。おかげで、この3日くらいレコードで音楽聴けてねえわ。でも、長めにしっかり寝るのも気持ちええ。

1、チャールズ・ディケンズ『オリヴァー・ツイスト』読了

オリヴァー・ツイスト (新潮文庫)

オリヴァー・ツイスト (新潮文庫)


 728頁ですね、解説入れて。解説、チェスタトンです。「絶対的なオリジナリティの要求は、完全な引きこもり、絶対的な孤独の要求だ」「盗用ですら、われわれが社会に依存していることの告白にほかならない」ってことが最初の1頁に載ってて最高の解説でした。
 内容はもう途中からオリヴァーが主人公ちゃうし、フェイギン関係の描写がスミスの『ストレンジウェイズ、ヒア・ウィ・カム』が合いすぎる(ストレンジウェイズというのはマンチェスターに本当にある刑務所の名前らしい)。「ガールフレンド・イン・ア・コーマ」なんてサイクスとナンシーの関係みたいだ。あと、「アンハッピー・バースディ」のイントロの感じとかフェイギンとかサイクスのアジトの薄暗さが浮かぶ。
 あと書いておきたいのは、自然の描写がよかった。変に登場人物の心理と自然の描写を合致させてなくて、そのまま描写してて。遠藤周作みたいに「天気を登場人物の心象に合わせてこんなに動かせるなんて(神の存在を問うことがモチーフになってる『沈黙』)、筆者が神過ぎるし、つうか全然沈黙しとらんどころか天気通して雄弁すぎるやろ」とか思うと国語の授業思い出して一気にダルくなるんやけど、そういうことはなかったです。そういうことがあったら俺の頭を食ってやる。自然主義文学ってなんやねん。

2、フィリップ・K・ディック『去年を待ちながら』をついに捲りだした。


 とりあえず40頁読んだけど、全然入り込めねえ。図書館の本をどうしても盗んでしまう登場人物が出てきて「(彼は)ちゃんとものを借り出すのに恐怖症があるから」って台詞に爆笑したけど、入り込めねえ(笑)。読むのやめちゃいそう。
 『シミュラクラ』は、分かりやすいガジェット満載でエンタメなディック感あったけど、これは人工臓器みたいなおもろそうなガジェットが出てきてもなんかイマイチ盛り上がりに欠ける。まあ、これからやな、ってことで。あ、そういえば『時は乱れて』火星人ゲームみたいなんも出てきてますね。

3、YouTubeで歌謡曲聴いてると色々と思い出す。

 小松未歩に「謎」って曲があって、俺はこの曲が歌謡曲で一番好きな曲かもしれんなあ、ってぼんやりとした確信があります。このデジタルな音とアコギの生音でドラムの音をイントロでデカく持ってくるっていうのは、当時流行ってて、ミスチルも「ニシエヒガシエ」でやってましたね。なんやっけ、デジロックとか形容されてたような。あ、でも、それって99年で、この「謎」は97年か。あと、生音のアコギとビッグなギターとドラムで思い出すのはオアシスの「ザ・ヒンドゥ・タイムズ」。
 まあ、そんなことよりこの曲の持つセンチメンタルなところが好きなんですけど。例えば、歌詞の「失うことだけを 教えていくつもり」「踊るライト見つめて忘れない 謎が解けていく」とか。
 で、YouTubeで検索してると最近のアイドルがカバーしてて、それをよく聴いてます。
 ラ・ポン・ポンですか?ラ・ポン・ポン・ダブルだと思ってたんですけど、ダブルはエー・サイドに掛かってる言葉なので、ラ・ポン・ポン。
 メンバーがアップで写る時間やソロ歌唱の時間がメンバー間でハッキリし過ぎてておっさんの俺は観ててハラハラします。おっさんがいいなあと思った子のアップは一回しかありませんでした。

 いきなりすげえ鼻声でお歌いになるので笑うんですけど、鼻声よりも音がすげえスカスカです。打ち込みだけで作っただけというか、打ち込みだけで作ることは創造性がないことの証左だとかそういうことでなくて、音には金もアイデアも掛けてないなあ、と。
 小松未歩の「謎」にはまだ「盗用ですら、われわれが社会に依存していることの告白にほかならない」という感じのソウル(アイデアがちゃんとある)を感じましたけど(盗用だと思ってませんよ、先のチェスタトンの引用ですよ)、アイドルももう完璧に島宇宙、要はカルトの時代なんでしょうか。となると、「絶対的なオリジナリティの要求は、じつは絶対的な引きこもり、絶対的な孤独の要求だ」ってまたチェスタトンの言葉が響くわけです。
 なんてことを思いながらもよく聴くのは、好きなものは亜種でも簡単に好きになっちゃう俺の質のせい。バージョン違いが好きなんですよ。

 ラブ、デイ・アフター・トゥモローって言葉の意味が未だに掴めません。愛、明後日。どういうことですか?明後日には愛の在り方がまた変わってますよ、的な?ディスってるんやなくて、これよく聴いた思い出の曲なんやけど、タイトルの意味が未だに掴めてないっていう(笑)