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A Better Place To Pray

I'm singing out my revolution song like nothing else matters

地平線レス

 僕は郊外のベッドタウンに住んでいるのでとにかくどこへ行っても四方を家やマンションや団地に囲まれている。なので、高いところに登らない限りは、その建物の背の高さありきでの空しか見えないというか、建物が額縁(下側のみ)になってる空としか見えないというか、窮屈で抜けが悪いというか、とにかく地平線なんていう真っ直ぐな線は地平には存在しない。
 だけど、そうではないスカッとした空間がかつてあったような気がする。散歩をしながら空がしっかり見える空間がこのベッドタウンにもあった気がしてくる。そして気付く、それは学校の運動場だ。
 だけど、学校の運動場なんてセキュリティの厳しい昨今は容易に入れる訳もなく、あの何も建ってない広い土地から見る空の感じの懐かしさだけを思いながら建物だらけの街並みを散歩していると、見付けたのが畑の中を歩道が這っている運動場よりも広い土地だった。ここはとてもスカッとしている。建物が周りにないのでとにかく空が近い。
 旧郵政公社が所有していた社宅が北側にあったのもすっかり取り壊されて更にスカッとしている。西側には桜並木もあるし、地域の有志によって植えられたチューリップがたくさんあってこれも満開だ。日曜日は晴れて気温も高かったからここはもう完璧だった。
 桜の木で雀か何かの鳥がしきりに鳴きながら花をついばんで花弁を散らしてくる。はらはらと散っている桜は風のせいだけでなくて、案外鳥の仕業でもある、と気付いたときの気持ちがとてもよかった。
 花見のシーズンだけでなくて、天気のいい日は外で楽しく飲食をするという慣習があってもいいよな、と『団地ともお』にそんな話があったのを思い出しながら思ったし、自分でも積極的にしたいなあと思った。